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社会的孤立を軽減するためのアウトリーチ(訪問)チームにおけるピアスタッフ

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精神疾患当事者の陥りやすい「孤立」

精神疾患を持つ人は、孤立しがちです。

症状や、疾患をもったことによる傷つきのために、また、精神疾患に対する否定的な見方(スティグマ)から逃れにくいために、意欲や自信が低下し、人間関係に傷つきやすく、人との交流を避けてしまいがちです。

社会的孤立が長期間に及んでしまうと、ますます精神的な健康を損ない、回復を阻害してしまいます。

社会的孤立を軽減するためのアウトリーチ(訪問)

アウトリーチチームは、生活の場にお邪魔する形で訪問して医療を提供します。

周囲との関わりが断絶している人、過去の経験から医療者を拒絶している人もいるのです。

訪問では、本人との関係作りが最も重要になります。安心感を感じてもらい、会い続けることを受け入れてもらうことです。

そして寄り添いの道のりをたどっていきます。しかし、その道のりは往々にして難しいものとなります。

本人は「声にならない」思いを抱えながら、時に傷つかないように他者との関わりを避けて生活しています。

例えば、家族から依頼されて家に入ってくるような医療者は、「侵入者」とも認識されかねません。

一方で、ピアスタッフは、病に苦しむ人の気持ちが分かります。出会いにおいて、支援者の中にピアスタッフがいる時の方が、侵入されるという怖れが減じ、安心感をもってもらいやすいのではないかという印象があります。

似た経験を持つというピアスタッフがいつことが、安心感につながります。それは、本人が孤立しているからこそもたらされる効果の一つではないでしょうか。

疾患を持つ苦しみや闘いを、共に分け合っているという感覚や、それに基づく「人としての敬意」が伝わり、患者の力へと変化して、勇気を伴う行動を引き出しているのではないでしょうか。

家族に対するアプローチ

家族もまた、社会とのつながりが減じてしまうことがあります。

ピアスタッフが家庭に訪問することは、疾患に苦しみながらも、このように生活しているというピアスタッフという人物を実際に目の前で示すことでもあります。

ピアスタッフの存在を希望へとつなげることができる時、家族から本人へのかかわりの中に変化が生まれ、実際に行動していくアイデアや力が育まれていくように思います。

まとめ

このように、アウトリーチチームで働くピアスタッフは、本人にも家族にもチームにも、大きな効果をもたらすことが可能です。

アウトリーチチームで働くピアスタッフはまだ少ないといいます。

これまでの精神科医療は、「専門家」を主な担い手としてきました。

ピアスタッフがチームの中にしっかりと根付くことは、医師を頂点とするヒエラルキー構造から、本人やピアスタッフも含めて、互いの意見を尊重できるチームとなる成熟に向かっていく大きな可能性を持っています。

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